我国のイネゲノム計画、及びヒトゲノム計画の主導者にして偉大なる分子生物学者・渡邊格(わたなべいたる、1916-2007)博士は、「人類は“物質の時代”に於いて、第一の核として“原子核”の発見に至った。そして続く“生命の時代”に於いて、第二の核である核酸(DNA)を発見した。今から我々は“精神の時代”に突入し、ここで第三の核に至るであろう。それは言わば、“精神核”である。」と、生前、私に説いてくださった。
西のアレイスター・クロウリー、東の出口王仁三郎、オカルティズムの両巨人が奇しくも約百年前の同時期に原初的録音装置に残した彼らの肉声、それらを入手した私はその音声データを用い、様々な音響的実験を繰り返し、その結果を交響的現代音楽作品として完成させた。
それを一聴した八幡書店社主にして日本のオカルトの父・武田崇元氏は、そこに両巨人の精神核の旁魄(ほうはく)を直ちに見出し、「私にプロデュースさせてくれ。この作品を今の世に送り出さねばならない。」と誓言した。
アルバム“精神核”誕生譚である。
二枚組CDとしてリリースされたアルバム“精神核”は、その後、武田崇元氏の発案によりブレインマシーン・カシーナのプログラムとして強烈なスピンアウトを実現した。視覚と聴覚に激しく作用するそれは、多くの体験者にオルタード・ステイツ的な知覚変容を齎した。
令和二年三月一日、美学校の協力により“精神核祭”なるイベントを斎行させていただく運びとなった。
まずは精神核についての私の講義。続いて、ゲストに武田崇元氏を招いての公開対談。そして、私のミニコンサート。会場では希望者にブレインマシーン・カシーナの実体験をしていただくのみならず、私と武田崇元氏の両者が現在取り組んでいる新しいデバイス、tDCS(経頭蓋直流電気刺激)装置の実体験も可能にした。
参加者に新たな美の興奮を共有していただけたなら幸甚である。
JINMO
令和二年二月吉日
日 程:2020年3月1日(日)
時 間:19:00〜21:30(予定)
料 金:2,000円/美学校生1,500円
申込み:申込みは不要です。直接会場にお越しください。
会 場:美学校 本校(地図)
東京都千代田区神田神保町2-20 第二富士ビル3F
※本イベントは誰でもご参加可能です。
プロフィール
JINMO
表現形態の五感による分化を越境し、聴覚芸術、視覚芸術など様々な分野での表現活動を活発におこなう芸術家。
『私は自らを”音楽家”や”画家”といった矮小なアイデンティティに落ち着かせる事に、猛烈なる反発を発動させる。強いて言うならば、自らは”Avant-attaque(前撃)”の実践行為者であり、天的嗣業の前に血を流し、微笑むメディアムである。』と、JINMOは明言している。
2020年2月現在までに、ソロ・アルバムだけでも243作品をリリース。代表作としては、文化庁文部科学省により2009年度芸術祭参加作品に選定された”Ascension Spectacle”、全世界17レーベルから発売された”Live At The Knitting Factory”等がある。
弦楽器、管楽器、鍵盤楽器等を演奏するが、特にギター奏者として著名で、特殊奏法や尖端機器を多用した特異な無伴奏ギター独奏のスタイルにより、精力的な演奏活動をおこない、国内はもとより海外(アメリカ、イギリス、ロシア、ドイツ、オーストリア、オランダ、スイス、デンマーク、ベラルーシ等)でも数百回に及ぶ公演をおこなっている。中でも1997年、ベラルーシ共和国の招待により、チェルノブイリ支援活動と国際文化交流を目的に旧ソ連邦ツアー(15ヵ所)をおこなった際、政府主催のチェルノブイリ記念行事や、爆心地近くの寒村で演奏されたレクイエム「殯(モガリ)」は特筆すべきで、国営放送局を通じて連邦全土、約3億人に伝えられ大きな反響を得る。
その音楽表現の更に精緻なる実現と表現領域拡大のため、ドイツのBassLab社と共同し、オリジナルの特殊なカーボン合成樹脂素材を用いて、一切継ぎ目のない単一構造で、完全中空の弦楽器”Jinmoid”を開発。Frankfurt Musik Messe 2009に於いて発表され、大きな話題となる。
1989年、生体の音響に対する原初的反応を研究するため、DNA音楽研究所を発足。1991年から20年間、週に1回の頻度で、横浜市の最重度重複障害者施設で強度行動障害者を対象にした演奏会を継続。
また1988年から20年間、毎月、ギターマガジン、サウンド・アンド・レコーディング・マガジンなどの音楽専門誌で連載記事を執筆。
2011年以来、美学校(東京 神田)の講師を務める。
現代音楽、クラシック、民族音楽、ジャズ、ロック、テクノ、ノイズなど、あらゆる音楽の領域を越境した音響現象の創出者としての位置付けが最も相応しい音楽家である。
HP:http://www.jinmo.com/index.html
武田崇元
八幡書店代表、神道霊学研究家。武田氏は月刊ムー誌の産みの親というのみならず、戦後日本のオカルティズムの原動力であり、今後の霊的革命の実現に於ける発動者である重要な人です。著書に『新約出口王仁三郎の霊界からの警告』、『出口王仁三郎の大降臨』など出口王仁三郎関連書籍を多数刊行のほか、『竹内文書』『東日流外三郡誌』など古史古伝文献の刊行者としても知られる。
▷授業日:月曜(月1〜3回/年間20回) 20:00〜22:00
本講義は芸術表現の技法や知識といった”情報”の伝授の場ではない。五感、総ての感覚器官で対峙する状況における美の”体験”を実感する場としたい。良質のインプット無しには良質のアウトプットはあり得ない。美しいインプットに貪欲であれ。