自分を越えた作品を計画的につくる方法と発表の実践 修了展 櫛占采、こいけようこ、NIL

2024年4月25日(木)〜27日(土)



2023年度「自分を越えた作品を計画的につくる方法と発表の実践」の受講生3名による修了展が美学校本校にて開催されます。ぜひご来場下さい。


「産屋」櫛占采、「optimum」こいけようこ、「独立国家宣言」NIL

会 期:2024年4月25日(木)〜27日(土)
時 間:4/25(木)17:00〜20:00
    4/26(金)14:00〜19:00
    4/27(土)11:00〜18:00
会 場:美学校 本校 3階(地図
     東京都千代田区神田神保町2-20第二富士ビル3F

「産屋」櫛占采

「出産」や「死」、「性的なるもの」…、生き物の本来逃れられない摂理は、人間社会にとっては多くは秘められたものとして扱われます。
しかしそこで秘められているものは、とても重要な事柄であり生命のDNAに組み込まれている本能的なものでもあります。
「大切なことは小さな声で語られる」という言葉がさすように、夜のような暗闇で囁かれる「小さな音」は、聞き逃してはいけない
とても根源的な声なのかもしれません。
今回はその「小さな音」をテーマに、インスタレーションや絵画、映像などの展示を行います。

櫛占采
1985年神奈川県生まれ
自らのパーソナルスペースに転がる、様々な事象や記憶などから着想を得て制作を続ける。
「自分」と「他者」、「家」と「外」、「現実」と「夢」など、内側と外側の境界線を行き来する意識について多種多様な手法でアプローチを続けている。

「optimum」こいけようこ

あらわれてくるプロセスを息を吞んで眺め
そのどこかでサッと切り上げる

こいけようこ
ダンサー・振付家として国内外の数々の舞台で活動後、現代アートを学ぶ。作品となる前のプロセスや、わからなさとじっくり向き合いながら、「何を」ではなく「いかに」から世界に関わることを模索中。

「独立国家宣言」NIL

あらかたすべてが既に終わってしまったかのような世界では、人類の罪を糾弾し続けること以外に特にやることはない。かような現実の中で、歴史は忘却や反復というよりは、瞬間的に明滅しては無限に増殖する無限修正の記述となる。我々は修正過剰、もしくは修正不可能な時間の中で、過激かつ静かに訂正を繰り返しながら朽ち果てていく。

ステイトメントとエージェンシー、ゲームとコレクティブ、サイトとノンサイト。集まらないまま集まる、集まりながら集まらない。このような没入と失踪による集団性は、ある種の切実さを持った孤独な集団性であるといえる。しかし、同時にこれらは来るべき絶滅への新しい言い換え、もしくは遅延行為に過ぎないのかもしれない。終わりなき脱構築と終わってしまった絶滅。両者のどちらにも居場所を見出だせない我々は、一体何処へ行けばいいというのだろうか?

独立国家を作ってみようと思った。人々の記憶を映し出す故郷と認知を映し出すメタバースが交錯する原風景としての国家を。日常空間におけるあらゆる思考が、言動が、行動が、作品が、存在が兵器となる時代において、創作を戦争兵器として組み込まないためのエクササイズ。平時と戦時が並走する世界において、我々は創作共同体として世界から独立する。

「ねだりてが亡くなった」という連絡を受けたのは、42 Tokyo(エンジニア養成機関)による、数週間に及ぶ入学試験(ピシン)で溺れかけている最中だった。ねだりては私が主宰するアート・コレクティブ「Post Passion Fruits」が運営代行していた、プライベイトというオルタナティブ・スペース付近で、昨年夏頃から姿を見せるようになった地域猫だ。野良猫でも家猫でもなく、人懐っこさがありながらも警戒心の強い猫だったが、最終的にはプライベイトの玄関前に住んでいた。国家は生者のみではなく、死者の歴史により成立する。私はねだりてへの慰霊行為として、この「独立国家宣言」を捧げる。

《VR家族会議》出演:矢野昌幸

NIL
現代美術家/メディア・アーティスト。Nilverse(ニルバース)/Anrealms(アンレルムズ)/Post Passion Fruits(ポスト・パッション・フルーツ)主宰。主な展覧会に「家・家族・故郷の生態系とお土産のポータル」(プライベイト、2023年)、「メタバース家族会議」(In Situ、2022年)、「声の棲み家」(プライベイト、2021年)など。著書に『NILOG:融ける身体から思考する身体へ』(ナナルイ、2022年)。


自分を越えた作品を 計画的につくる方法と発表の実践 岸井大輔 岸井大輔

▷授業日:隔週金曜日 13:00〜17:00

この講座では創作法を一緒にいくつか試して、それぞれが思いもしなかった新しい作品作りにトライしてみます。創作法を理解して応用できるようにし、最終的には作品を発表することがこの講座の目標です。