みる、はなす、つくる。(鑑賞、批評、制作。) マジック・コバヤシ + ゲスト


本教程の募集は締め切りました。(2020.8.6)


定員 8 名
毎週月曜日:19:00〜22:00
開催教室:本校


わたしたちは曖昧な言葉を不安定な定義のまま使いすぎてはいまいか。

芸術、アート、ファインアート、コンテンポラリーアート、コンセプチュアルアートなど現在乱用される言葉の前に、まず「美術」でありたい。現在のアートは乱暴に言うなら必ずしも美しい必要はなく鑑賞者を不安や不快にさせてもなお成立する社会的な概念である。じつは美術もその中に属するのだが絶対条件が真逆であり、まず「美しくあること」が重要であると考える。

「現代美術」と芸術、アートも混同して使われているがこれもまた、美術と言いながら必ずしも美しいわけではない。

普遍的な美しさを追求する。視覚のみならず思考や理念まで。

繰り返し言う。私が志すものは横文字のアートではなく美術だと。理屈抜きで瞬間的に心奪われるような美。それは生き様なのかもしれないし、そこから切り離された強度の高い作品かもしれない。今の日本において、美しいとはなにか?

この講座は主宰のマジック・コバヤシが11年間この「美」学校にて参加継続してきた「絵と美と画と術」の講座を通して考えたことをもとに、現在までにコバヤシが体験してきた現代日本における政治経済やデザインや美術を軸にして、現在の美術(業界の話ではなく)の「本質」を探ることを目的としています。

そのためにはまず「よく観る(鑑賞)」そして「考える/話す(批評)」ことが必要である。その先に「つくる(実践/制作)」があるのだ。と仮定します。さらに言うなら「観せる」から「取り引きされる」までが現在の超高度経済社会における美術です。

別の言い方をするなら「リテラシー、コミュニケーション、ライフワーク」。既存の価値を享受し、それを味わい吟味し、新しい価値の創出をする。

当講座はカウンターカルチャーから映画、マンガ、アニメーション、グラフィックデザイン、プロダクトデザイン、ファッションデザイン、音楽、美術、工芸、民芸などなど既存ジャンルに囚われず横断的に近代から現在(主に1950年代以降)までの日本社会や世界の美術を考察します。それらを共有するとたとえ制作に至らなくても今までの生活がそれ以前と違う豊かな価値観で捉えられるようになるはず、そして制作を続けたい者にとってはそれが「継続させるヒント」となるはずです。

すでに価値が確定しているものを読み解き自らの実践を通して共に学ぶ。

いまや中年期となった(まだ若いつもりの)コバヤシはさまざまな世代から「今」を引き出し共有し断絶した「世代感」ではなく同時代を生きる「時代感」をトップダウン形式の教育ではないカタチで醸成したいと考えています。「絵と美と画と術」に引き続き、時に酒を交えながら(もちろん未成年には絶対呑ませません)、そして冬場は鍋を囲みながら。この考えになにかしら共感を持った同志を歓迎します。美とはなにか? いまだ確固たる答えは持っていませんが、共に観、共に考え、共につくり続けましょう。

予定ゲスト講師

佐藤直樹(画家/アートディレクター)、都築潤(イラストレーター/デザイナー)、小田島等(イラストレーター/デザイナー)、池田晶紀(写真家)、水野健一郎(アーティスト)、飴屋法水(演出家/劇作家/現代美術家)、佐藤栄祐(TAV GALLERY代表)、CBA(アーティスト)、五木田智央(画家)、角田純(画家/アートディレクター)、丹原健翔(アマトリウム株式会社代表)

授業内容


5月 徹底自己紹介 マッピング発表
6月 美術と芸術 絵画と写真 世界と日本
7月 近代美術から現代美術へ 社会と経済 60年以降カウンターカルチャーから現在
9月 アニメーションと美術 エンタメとアート
10月 イラストレーションと広告美術と近代絵画
11月 デザインからみるアート
12月 習作と作品 実習
1月〜3月 徹底制作〜展示、発表の実践へ

講師プロフィール


マジック・コバヤシ

1969年長野県生まれ。横尾忠則氏と石川次郎氏のデザイン事務所株式会社スタジオ・マジック設立に参加。20年余のグラフィックデザイナー経歴を経て現在は写真家、料理人、美術展示企画及びキュレーター、執筆、美学校講師など複数のライフワークを並行しながらメディアに囚われない自由な制作を続けている。最新作は江戸末期頃のヘタうま絵 蕎麦猪口染付を呉須で写したもの。2019年末より浅草吉原にてギャラリーとスパイス料理に特化した未曾有のスペース「P」を運営する。

 

予定ゲスト講師


佐藤直樹

1961年東京都生まれ。北海道教育大学卒業後、信州大学で教育社会学・言語社会学を学ぶ。美学校菊畑茂久馬絵画教場修了。肉体労働から編集までの様々な職業を経験した後、1994年、『WIRED』日本版創刊にあたりアートディレクターに就任。2012年、アートプロジェクト「トランスアーツ東京(TAT)」参加を機に絵画制作へと重心を移す。札幌国際芸術祭2017バンドメンバー。3331デザインディレクター。多摩美術大学教授。著書『無くならない─アートとデザインの間』(晶文社)、画集『秘境の東京、そこで生えている』(東京キララ社)、展覧会図録『佐藤直樹 紙面・壁画・循環──同じ場所から生まれる本と美術の話』(美術出版社)など。http://satonaoki.jp/

 

都築潤

1962年東京生まれ。1986年武蔵野美術大学デザイン科卒業。1993年四谷イメージフォーラム中退。1987年ザ・チョイス年度賞優秀賞。2000年毎日広告賞部門賞。2004年TIAA銅賞、カンヌ国際広告祭銀賞。2005年アジアパシフィック広告祭銀賞、TIAA銀賞、ニューヨーク One Show,Festival, Cresta等でファイナリスト。http://www.jti.ne.jp/

 

小田島等

小田島等

1972年東京生まれ。イラストレーター/デザイナー。1995年よりCDジャケット、書籍、広告物のデザイン、アート・ディレクションを多数手がける。近年では展示活動にも力を入れている。近著にデザイン&イラスト作品集「ANONYMOUS POP」がある。

 

Ikeda Masanori

池田晶紀

1978年横浜生まれ。1999年自ら運営していた「ドラックアウトスタジオ」で発表活動を始める。2003年よりポートレート・シリーズ「休日の写真館」の制作・発表を始める。2006年写真事務所「ゆかい」設立。2010年スタジオを馬喰町へ移転。オルタナティブ・スペースを併設し、再び「ドラックアウトスタジオ」の名で運営を開始。国内外で個展・グループ展多数。http://yukaistudio.com/

 

水野健一郎

1967年岐阜県生まれ。アーティスト。鳥取大学工学部社会開発システム工学科中退。セツ・モードセミナー卒業。既視感と未視感の狭間に存在する超時空感を求めて、自身の原風景の形成に大きな影響を与えたテレビアニメの世界観を脳内で再構築し、ドローイング、ペインティング、グラフィック、アニメーションなど、多様な手法でアウトプット。映像チーム「超常現象」、美術ユニット「最高記念室」としても活動。東北芸術工科大学映像学科非常勤講師。http://kenichiromizuno.blogspot.jp/

 

CBA

1965年大阪府出身。書籍装幀、雑紙、広告等のグラフィックデザイナーを20年以上経験後コラージュ、ペインティング、ドローイング、映像制作を主とした画家としての活動を始める。セッションベーシストしても多く経験もち、CICADA, サーファーズオブロマンチカ、ZERO等のライブやレコーディングに、映画『東京ゾンビ・浅野忠信主演』ではサントラレコーディングに参加。アカペラポリリズムユニット、ズビズバではイタリア現代音楽の祭典『ボローニャ音楽祭』に出演。 2010年11月より画家として活動を始め、2016年2017年と2年連続韓国釜山国際リサイクリングアート展に参加、2017年10月ロンドンEWAACにてコンテンポラリー部門奨励賞受賞歴がある。

角田純

1960年愛知県生まれ。多摩美術大学卒業後、1980年代から「角田純一」名義で広告・出版業界でアートディレクターとして活動。2000年半ばより画家としての活動を開始。2009年、作品集『Cave』をフォイルより刊行。2012年、川村記念美術館でのグループ展「抽象と形態:どこまでも顕れないもの」に参加。主な個展に「Dust to Dust」(2016年、CLEAR EDITION & GALLERY)、「When it’s short distance between the moon and Mars.」(2016年、ギャラリートラックス)、「如意樹」(2010年、FOIL GALLERY)などがある。

五木田智央

1969年東京生まれ。90年代後半に即興的に描かれたドローイング作品により注目を集める。近年は白と黒の色彩で描く人物画など具体的なモチーフを見せつつも抽象的なペインティング作品を手がけている。日本国内での広範囲にわたる出版・展示活動に加えニューヨーク、ロサンゼルス、ベルリンなど海外の個展・グループ展にも参加し高い評価を受けている。2008、2012、2017年にタカ・イシイギャラリーにて個展を開催。2012年にDIC川村記念美術館の「抽象と形態:何処までも顕れないもの」展に参加し2014年同館にて個展「THE GREAT CIRCUS」を開催。作品集に『ランジェリー・レスリング』リトルモア刊(2000年)『シャッフル鉄道唱歌』天然文庫刊(2010年)『777』888ブックス刊(2015年)など。

丹原健翔

1992年生まれ。ハーバード大学美術史学科卒。米国でパフォーマンスアーティストとして活動したのち、17年に帰国しアマトリウム株式会社設立。展覧会企画、アーティストマネジメントなどに携わりながら、自身もアーティストとして19年から創作活動再開。他に美術市場におけるブロックチェーン利用のガイドラインを策定するオープンアートコンソーシアム理事、磯村暖らとともにつくる新大久保のアートスペース「UGO」ディレクターなど。主な実績に、森山大道展(2019、Kudan House、企画・運営)、未来と芸術展(2020、森美術館、アートユニットAnother Farm名義で展示)など。

佐藤栄祐

1993年生まれ。TAV GALLERYは2014年に様々な分野で活動するキュレーターを所属させ、新たな芽の発掘を目的に、キュレーターが企画を展開するコマーシャルギャラリーとして東京都に設立しました。TAV GALLERYでは企画展ディレクター、ギャラリストを務めます。

飴屋法水

いろいろやってきました
そろそろ還暦です