オープン講座〈Z世代のための『ニューアカ』入門〉 講師:大谷能生

2024年10月〜12月


〈ニューアカデミズムを通してポストモダニズムを読み解く〉

講師 ・大谷能生より

「ニューアカデミズム」とは80年代のニッポンで巻き起こった人文科学におけるムーブメントです。

学者・哲学者発の知的流行物(「共同幻想」とか「脳科学」とか「アーキテクチャ」とかいろいろありますよね)の中でも最大級のヒットとなったこの運動は、記号論や構造主義、ポストモダニズムといった当時の海外の人文科学のトレンドと、はじまったばかりのバブル期の「大量消費社会」における言述とが結び付くことで、「ファッションとして消費される『知』」という奇妙な流行を生み出しました。  

この時期の狂躁感は当時まだ10代に入ったばかりであった大谷少年にも陰に陽に影響を与えております。

現在ではもう嘲笑と共にほぼ吐き捨てるように使われる「ニューアカ」という略称が生まれ、シーンを席巻し、批判され、馬鹿にされ、忘れられて、そして現在、ふたたび、こんな歴史とは切断された場所において、当時の「ニューアカ」を支えたドゥルーズやデリダらの思想が、あらためて読まれるようになって来ている……。

この講座では、「ニューアカ」ムーブメントから40年を経た2020年代の現在、この流行の背景とその学術的な成果を俯瞰しつつ、ポストモダニズムと呼ばれる思想の流れ、およびそれらの国内における翻案としての著作物を読み解いていきます。

※なお『Z世代のための』と冠しておりますが、受講に年齢制限はございません。いずれの年代の方の受講も大歓迎です

授業内容(予定)

10/8(火)#1 80s日本における政治・経済・文化の確認
10/15(火) #2 浅田彰『構造と力』とその衝撃
11/19(火)#3 中沢新一『チベットのモーツァルト』とその周辺
12/10 (火)#4 柄谷行人『マルクスその可能性の中心』とその展開
12/17(火)#5 蓮實重彦『映像の詩学』とその余白


日 程:
2024年 10月8日、10月15日、11月19日、12月10日、12月17日/全5回(すべて火曜日)

時 間:
各回19:00 〜 21:30 ※延長の可能性あり

受講料:
◆一般:20,000円 
◆美学校在校生/卒業生:15,000円

形 式:
対面&オンライン

会 場:
美学校本校2F(音楽室)
東京都千代田区神田神保町2-20第2富士ビル2F

申 込:

こちらのPeatixのページからお申し込みください。

オンライン講座に関して

オンラインへの配信はZOOMにて実施します。
パソコン、タブレットなどのご使用端末やご自宅のインターネット環境でZOOMが使用できることをご確認の上お申し込みください。
授業内で学びきれなかった内容は、アーカイブ動画による復習や、チャットツールのDiscordによるご質問などを随時ご活用ください。

対面希望者を12名程度まで受け入れ、オンラインと対面の混合形式でも行います。ほか、オンライン講座受講に当たって不安や質問などございましたら、arita@bigakko.jp(担当:有田)までお気軽にお問い合わせください。

◎授業ツール
ZOOM・・・授業プラットフォームです。ご自宅のネット回線の確認などをお済ませください。
Discord・・・授業補助として利用するチャットツールです。毎回の授業リンク案内のほか、コミュニケーション等のプラットフォームとして使用します。

講師プロフィール

大谷能生(おおたに・よしお)

1972年生まれ。批評家、音楽家。96年、音楽批評誌「Espresso」を立ち上げ、02年まで編集、執筆。日本のインディペンデントな音楽シーンに実践と批評の両面から深く関わる。著書に『持ってゆく歌、置いてゆく歌 不良たちの文学と音楽』(エスクァイアマガジンジャパン)、『散文世界の散漫な散策 二〇世紀の批評を読む』(メディア総合研究所)がある。菊地成孔とのコンビによる講義録は『憂鬱と官能を教えた学校 【バークリー・メソッド】によって俯瞰される20世紀商業音楽史』(河出書房新社)、『東京大学のアルバート・アイラー  東大ジャズ講義録』(全2巻、文春文庫)、『M/D マイルス・デューイ・デイヴィスIII世研究』(エスクァイアマガジンジャパン)がある。


〈配信中のオープン講座〉


〜ゼロから聴きたいコミックソング〜

◆講師:佐藤利明 輪島裕介 矢野利裕 岸野雄一
▷放送時間:2時間36分
コミックソングは、ユーモアと風刺を取り入れた日本独自の音楽ジャンルです。
日本の大衆音楽史を彩る本ジャンルは、風刺やユーモアを交えながら時代ごとの社会情勢や文化を反映してきました。本講座では、明治から大正にかけての書生節から、戦前のモダン・ソング、戦後のブギウギ時代、リズム歌謡、コミック・バンド、和製ポップス、1980年代のポップカルチャー、そして現代のヒップホップまで、多彩なジャンルと代表的な楽曲を通じて、その進化と変遷を紐解いていきます。