講座の雰囲気を感じてもらうため、スタッフによる授業レポートをお送りします。
今回は菊地成孔さんが講師を務める『楽理基礎科』1/17(水)の授業をお届け。
頭と手で学ぶ音楽理論
『音楽理論を一年かけてゼロから学んでいく』ことをコンセプトとしたこのクラス。
一年の授業の前半では、スケールやコードをインストールし、頭での理解と同時にキーボードを実際に弾きながら進んできました。
大人になってからの楽器習得は子供の頃のそれに比べるとハードルが高いのは確かですが、大人になってから学ぶ利点として『より頭を働かせて学ぶことができる』ということがあると思います。漠然と反復するのではなく、構造を理解しながら練習することで、体はすぐについていかなくとも、概念を刷り込みながら習得していくことが可能です。
キーボード初心者の受講生も、菊地さんの鮮やかなトークにうまく乗せれらながら演奏をしていきます。
スクリーンに鍵盤を投影し、音を目で確認しながら授業が進む。菊地さんのプレイを見て真似しながら少しづつ習得。
ポップス〜ジャズに欠かせない『ケーデンス』とは?
年が明けて授業も終盤に入ってきたこの日は、基礎科の中でも重要トピックである”ケーデンス”についての授業となりました。
さて、音楽に興味ある方なら『コード進行』という言葉を聞いたことがあると思います。この”進行”という言葉が示すように、ポップスにおいてはコード(和音)の機能によって如何に音楽を”進行”させるか、魅力的な物語を叙述していくか、ということが重要になってきます。
音楽を進行させる上で核となる要素。それが『ケーデンス』です。
毎年基礎科では、『表』『裏』『二次』『DC』の4つのケーデンスを学んでいくのですが、この日は『二次』ケーデンスを扱いました。
山下達郎『クリスマスイブ』ほかで使われるコード進行を題材に、ケーデンスの解説。
二次ケーデンスは、ジャズにおいては必須の教養です。私たちが聴いていわゆる「ジャズっぽい」と感じる楽曲は、ほぼこのケーデンスを核として成立していると言っても過言ではありません。
これが自在に使えるようになれば大きな前進。ジャズだけでなく、ジャジーな雰囲気のオシャレなポップスがグッと作りやすくなるはずです(もちろんこれだけではなく他にも色々必要ではありますが…)。
授業の復習とサポートは学校を活用しよう
このあたりのトピックから少し難しくなってくるため、授業をお休みするとわからない点も増えてきてしまいます。しかしそこはご安心ください!
毎回スタッフが講義録をとっていますのでそちらで補完可能なほか、TA(ティーチングアシスタント)による補講・勉強会を適宜開催しています。
ちなみにこの回の後も、後日勉強会を開催しました。一年という限られた時間、回数になりますが、我々TAのサポートも含めて利用してもらいたいと考えています。
基礎科から中等科へ
本クラスは、このまま現在募集中の2018年度『楽理中等科』に持ち上がりとなります。現在の受講生は継続して勉強することも、基礎科まででやめることもできるという仕組みです。
中等科からの編入受講ももちろん可能。中等科の受講を検討している、迷っているという方は、ぜひお気軽にご相談ください。
▷授業日:隔週水曜日 19:00〜21:30
楽曲の構造を支える『音楽理論』を学ぶ講座です。魅力的なコード進行が、どのような仕組みで作られているのか?ポップスからジャズやボサノバまで、複雑な響きを持つ音楽の構造を読み解き、使いこなすためのスキルを身につけます。