アンサンブルに必要なシンセの音作り  
プログラミング徹底攻略



アコースティックや管弦楽の世界では、各楽器の音色は原則として固有のものなので、おのずとアレンジ法が決まっていきます。しかし、シンセを使った場合は、音色の自由度が高すぎるために、アレンジのメソッドが成立しにくいという面があります。
そこでこの講座では、典型的なシンセらしさを持った音色を何種類か(シンセベース、パッド系、リード系)設定し、それがどのように作られているかを理解し、応用的に自分好みの音色を作れるように指導していきます。使用ソフトのSynthmasterのフリー版は15分の使用制限付きですが、受講者にはイギリスのComputerMusicマガジン、ドイツのBeat Magazineの購読者にのみ配布されたスペシャルバージョンをメーカーより提供します。

◎こんな人にオススメします。

・プリセットの音色から脱却したいが、どのようにパラメータをいじれば良いか分からない。
・他にない、自分だけのオリジナルな音色で曲を作りたい。
・過去の名曲で使われている、あの音がどのように作られているか秘密が知りたい。
・デジタルシンセでもアナログのような「強い音」を出したい。
・シンセを使ったスタイリッシュなアレンジ方法を身につけたい。


▼一日目の内容

クラフトワーク「ロボット」、YMO「ライディーン」等を教材に音を抽出、再現して分析する。
楽曲のMIDIデータを元に、音色の差し替え、音域の変更などの実験を行い、音色と編曲の関係性について理解する。
その後、
・シンセベースをより太く、重くするテクニック
・パッド系のアンサンブル効果を極限まで高める方法
・突き刺さるような鋭いブラス系音色の作り方
・分厚いオケの中でも前に出てくるリード
・他を邪魔しないが、存在感を主張するアンビエント音色の作り方を学ぶ。

▼二日目の内容

前日に作った音色の使い方の実践。
・主役となる音色、脇役となる音色、端役の音色、ゲストの音色、という観点から、音色とその役割の関係性について実験し、理解する。
・ソロで聴いて「良い音」と、アンサンブルの中で「良い音に聞こえる音」は必ずしも同一ではない。それは倍音のマスキング効果(打ち消し合い)が 原因であることを理解し、その回避法を学習。
・それぞれの音色に効果的なエフェクトの使用法。
・それらのテクニックが実際どのように駆使されているかを講師が実際に手掛けたレディ・ガガの楽曲を教材に分析する。


生方 則孝

作曲家、シンセシスト、テルミニスト。シンセサイザーのサウンド・デザイナーとして全世界的に知られており、レディ・ガガのコンサートツアーでは音色制作を担当。ネイティブ・インストゥルメンツのSkanerやMonarkのプリセットを製作、ARTURIAのminibruteの開発など実機での製作も行っている。2010年よりフランスに移住し、数々のコンサート出演、レコーディングに参加。フランス移住以前は、自己のアルバムとコンサート活動以外は、日本では主にCMやゲームなどの音楽制作。楽器メーカーのコンサルティング等。インドで映画やTV番組の音楽制作を行なっていた。


 講 師:生方 則孝
日 程:2013年10月7日、10月8日(全2回)
時 間:19:00〜21:30
場 所:美学校 両国教室
料 金:8,000円
定 員:20名