清野耕一さん(版表現実験工房 講師)展覧会のお知らせ




11月16日(土)より横浜・中華街にある1010美術にて「版表現実験工房」講師の清野耕一さんの個展が開催されます。是非ご来場ください。


「Genome: Design of Life(ゲノム体:生命の設計図)」

美術家、清野耕一は平面の版画作品のみならず、版画技法をベースにそれを応用した立体作品やインスタレーション作品を展開する先駆者である。

「生命の探求」が清野の30年に及ぶ作品テーマであり、「生命サイクル:誕生-成長-死-再生」のダイナミズムを表現してきた。約10年前より国内外の美術館やギャラリーで発表してきた「Cultivation (培養体)」シリーズはその一例で、大小様々なディスク状の作品群を床や壁に展示し、シャーレの中で培養されたミクロ小宇宙から、マクロ大宇宙に展開させた壮大なインスタレーション作品であった。

今回初めて発表する「Genome: Design of Life(ゲノム体 : 生命の設計図)」は、作家がこの数年温めてきた題材。科学の急速な進歩によって、解明された生命の根源的メカニズムが作家に強くインスピレーションを与え、生命とは何かを異なる角度から考える動機づけとなった。

生物個体が持つ全ての遺伝情報(Genetic Information)が、転写によって複製され、遺伝子が次世代に引き継がれる「遺伝子メカニズム」と版画芸術の根本原理(転写・プリント→複数性)における双方の共通性に清野は強く惹かれ、この「遺伝と版画の基本メカニズム」が新しい題材に向かう大きな原動力となった。また、今回は「遺伝情報の配列」をキーワードにして、美術家としての解釈を表現している。

木版等の版を用い、キルト芯を被写体とする。エッチングプレス機によって凸版刷りし、刷り上がった作品をカットする。特筆すべきは、刷り上がった面を使わずに意図的にそれを内側に隠し、キルト芯の切断面を重層的に組み立て、三次元的作品に完成させる手法なのだ。

清野耕一の新たな世界、「Genome(ゲノム体)」をご高覧頂ければ幸いである。

1010美術 倉科敬子


会期:2019年11月16日(土)~12月1日(日)[休廊:水曜日]
時間:11:30〜18:30
会場:1010 美術(神奈川県横浜市中区山下町214 TAOビル3F)
WEB:http://1010artgallery.com


Kiyono Koichi

▷授業日:毎週水曜日 18:30〜21:30
銅版に触れ合うことによってモノ作り本来の楽しさを体験し、美術表現を創造する「発見」の場をめざします。従来の「版画」の垣根を取り払い、柔軟に他のメデイアとの交流を図り、研究し模索する制作現場です。