【10/6】トークセッション「アヴァンタイトルー写真家・羽永光利が希求した表現」


トークセッション
「アヴァンタイトルー写真家・羽永光利が希求した表現」


©羽永光利プロジェクト実行委員会

©羽永光利プロジェクト実行委員会


ここ数年、写真家・羽永光利の再評価が進んでいる。特に1960〜70年代中心に撮影された写真群は、日本の前衛芸術のドキュメントとしての価値は揺るぎないものであろう。

また羽永が撮影した被写体は前衛芸術や舞踏などのアート関係に限らず、学生運動や公害問題、市井の人々など(中には表現なのか社会運動なのか分からないものまで)多岐に渡っており、その手法は非常にジャーナリスティックでもある。

今回のトークイベントでは羽永の写真群を現代の「アヴァンタイトル」として捉え、彼が希求した「表現」について有名無名問わず再考することを目的とする。なぜならば羽永が撮影した写真群は、今現在起こりつつある社会動向に対してのプロローグ的な意味合いがあるように思えてならないからである。当時と今現在の日本の状況は、未だに地続きに繋がった「戦後」の影響下にあるからだ。羽永光利というある時代の目撃者を通して、現代アートと社会との狭間を凝視し、これからの日本アートシーンについての考察ができればと考えるのである。

企画:半田晴子


出 演:アライ=ヒロユキ、羽永太朗、牧武志、牧陽一
司 会:半田晴子
日 程:2019年10月6日(日)
時 間:15:00〜17:00(開場14:30)
参加費:1,500円
会 場:美学校 本校(地図
    東京都千代田区神田神保町2-20 第二富士ビル3F

※ 本イベントは、美学校創立50周年プロジェクトのクラウドファンディングのリターンとして開催されます。

出演者プロフィール


アライ=ヒロユキ
1965年生まれ。美術・文化社会批評。美術、社会思想、サブカルチャーなどがフィールド。美術評論家連盟/国際美術評論家連盟会員。
著作に『検閲という空気』(2018年、社会評論社)、『天皇アート論』(2014年、社会評論社)、『オタ文化からサブカルへ』(2015年、繊研新聞社)、『ニューイングランド紀行』(2013年、繊研新聞社)、『宇宙戦艦ヤマトと70年代ニッポン』(2010年、社会評論社)、ほか。
連載:「オークション情報」(月刊美術)、「アートと公共性」(月刊社会民主)。

羽永太朗
1970年生まれ、カメラマン羽永光利の長男として誕生。 幼年期は、父親のカメラ助手として前衛芸術や舞踏の撮影を手伝うものの、反面教師にてカメラの世界に進まず、大学卒業後は広告業界へ進む。 広告代理店や自動車業界のマーケティング業務を経て、現在は動画広告のベンチャー企業に勤務。 2013年「羽永光利プロジェクト委員会」を立ち上げ、父親が残した約10万コマに及ぶネガをデジタルアーカイブ化と写真調査を開始。 2014年3月「アートフェア東京」の企画展示がきかっけとなり、国内外問わず60-70年代の社会風俗、舞踏、前衛芸術の写真展示中心に数多くの展示会に協力出展。

牧武志
1941年生まれ。1960年代初め芝居つくりを学び始め、1969年東京池袋の小劇場 アートシアターと新宿区体育館の広大なフロアで宮本研「明治中期におけるインターナショナリズムとナショナリズムの諸問題あるいは明治の柩」を初演出。以後1970年代末まで、新宿区体育館及び都内、東京近県、東北の野外ステージ、草原、街頭で宮本研、深沢七郎、橋本勝、内田栄一、竹内銃一郎の台本を演出。1980年代長崎県に移住、県内及び九州各地の野外劇場、小劇場で古典劇の現代化、先住民族に伝わる物語の舞台化も行なっている。ただ今は、自給のための有機農業、シーカヤックと徒歩の旅、芝居づくりの暮らし。

牧陽一
1959年富山県生まれ。埼玉大学人文社会科学研究科教授。現代中国の文化、現代アートを中心に研究を進めている。著書に『アヴァン・チャイナ』(木魂社)『中国のプロパガンダ芸術』(岩波書店、共著)『中国現代アート』(講談社)『艾未未読本』(集広舎、共著)『アイ・ウェイウェイ スタイル』(勉誠出版、共著)。1982年北京の前衛美術家のグループ「星星画会」、1995年パフォーマンスを中心にした「北京東村」メンバーと交流した。一貫して表現の自由の擁護、政治の民主化を課題にしている。