物々交換所 第14回「物々交換所の活動において重大な違法行為を行ってしまった件について」


 酒井貴史


今回この場を借りて、僕個人の無知からある法律違反を行ってしまったことの謝罪と処置について書かせていただきたいと思います。
先ずはその背景について述べさせてください。

僕は宮城県南部の山元町で育ち、小学校から中学にかけてテレビゲームが唯一の友達という暗い少年時代を送りました。
その頃、ゲームの次に熱中したのが漂着物の収集です。
実家から自転車で20分程で海岸線に辿り着くことができ、そこで漁具や流木、海亀の骨等を拾い集めるのに没頭しました。 こちらは最近帰省した時に拾ったものです。

サンゴ

本題に入ります。先日、沖縄県へ行きました。
その海岸で見つけたのが『珊瑚の欠片』です。

東北地方の浜ではまずお目にかかれないサンゴの破片が無数に散乱している様を見て、僕はまさに童心に還り半日ほど一心不乱に拾い続け、ダンボール1箱分を収集しました。
しかし東京へ帰ってしばらく後に、自分がしたことが沖縄県の法令で禁止されているものであることを知りました。

造礁サンゴ類の採捕の禁止について 【沖縄県ホームページ】 http://www.pref.okinawa.lg.jp/site/norin/suisan/gyogyo/sango.html

海中の珊瑚礁を破損するのが違法であることは知っていましたが、小さな破片となり浜辺に打ち上げられたものならば拾っても良いだろうと思っていました。 しかし上記ホームページによると
〈 ② 折れて海域に落ちているもので(生死は問いません。)、原形をとどめているもの(砂状、れき状、石状等の死サンゴは、除きます。)も採捕は禁止です。
③ サンゴの死骸(骨格)も採捕は禁止です。〉
となっており、僕が拾ったのは枝状の形を留めたものでした。

予想していた違法行為の例【沖縄タイムス】
http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=103075

このことを知った時は既に、持ち帰ったサンゴ片の大半を不特定多数の人間に譲渡してしまった後でした。 僕はここ数年間に渡り、再利用可能な不要品を収集し無料譲渡する企画を行っているのですが、その品目の一つにサンゴを加えてしまっていたのです。

ここで、物々交換所からサンゴ片を入手した皆様へお願いがあります。 これを採集した沖縄県の海岸へ返却していただけないでしょうか? 下記の地図に示した場所にその浜があります。

僕自身も返却に出向きますが、もし返却を手伝っていただける方が居られましたら、その旨をツイッターからリプライ頂ければ、一掴み分お預けします。

最後に、外部の人間の無思慮が時にその土地の植生へ思わぬ痛手を負わせてしまうことを知っていながら、迂闊な行動を取ってしまったことを深くお詫び申し上げます。


物々交換所

物々交換所はまだ使える不要品を収集して貰い手を探すための場所です。ここに置いてある物は遠慮なく持ち帰ってください。
物を置く時、貰う時にどんな物があるかツイッターでつぶやいてください。もしくは交換所の棚を整理してもらえるとありがたいです。

酒井貴史

kokanjo

1985年10月28日宮城県山元町出身。2009年武蔵野美術大学卒業。現在、物々交換所管理人。詳しくはツイッターから。https://twitter.com/koukanjyo