【夏期講座】「如何にして世界を制作するか?」講師:上妻世海



「如何にして世界を制作するか?」講師:上妻世海


如何にして世界を制作するか


2015年4月に催された展覧会『世界制作のプロトタイプ』は、現代の情報社会において、世界を制作し、表現し、継承するとは何かということを問い、それによって事後的に、共同性を構築することを目的とした。

その為に、僕は20000字を超えるステートメントを公開し、美術手帖にも大々的に特集を組まれたため、賛否両論を巻き起こした。また、展覧会の後、複数の媒体で、更に『世界を制作するということ』について語り、著す機会を頂けた。それによって、まだ発表に至っていない自筆文献が大量に存在することになった。

この度、開講する全四回の講義では、未だ発表に至っていない複数の自筆文献を紐解きながら、非常に難解とされる複数の哲学者、社会学者、人類学者、認知科学者の著作を分かりやすく噛み砕くことを通じて、世界制作すること=表現することについて講義し、随時議論していく。それによって、理解の度合いを、「知覚するということ、認識するということ」というレベルから「作品を人々に知覚させ、認識させること」という制作と表現のレベルへと移っていく。

僕達は複数の基準を元に物事を評価する必要性のある、複雑な情報社会に生きているため、ある作品を鑑賞する際に、素朴に良い/悪いということが困難である。美術の分野において重要なのは、その作品がどのようなシステム(良い/悪いという判断の基準となる基準)を元に評価されて「いる」か、される「べき」かという問題である。例えば、キュビズムを評価する際に、伝統的な一点透視図法を元にしたシステムによって評価すると、只の下手な絵画にしかならない。キュビズムという運動が重要なのは、作品だけでなく、作品とその評価軸を同時にパッケージングして、表現することが出来たからであると僕は考える(事実、ピカソやブラックは勉強会を組織し、自らの表現のシステムの説明機会を得る為の戦略を練った)。同様に、近年であれば、村上隆氏の活動をスーパーフラットというシステムと作品群という形で世界に問うた作家として例として挙げることが出来る。

換言すると、現代の美術において、作品群とシステムを同時にプレゼンテーションすることが世界を制作することなのである。

このような説明を読むと、難解な講義で、敷居が高いと思われるかもしれないですが、出来るだけ分かりやすいレジュメを僕の方で用意し、スライドを元に講義し、随時素朴な疑問や質問を受付、その度に対話するというスタイルで行うので、気軽にご参加頂ければと思います。


講 師:上妻世海
日 程:2015年8月9日(日)、23日(日)、30日(日)、9月6日(日)[全四回]
時 間:19:00〜21:00
受講料:8000円(全四回)
定 員:12名
申込み:申し込みは締め切りました。
会 場:美学校 本校(地図
    東京都千代田区神田神保町2-20 第二富士ビル3F

プロフィール


上妻世海

上妻世海

1989年生まれ。作家、キュレーター。
「世界を制作するとは何か?」をテーマに活動している。過去の作品に『集団と生成の美学』(六本木クロッシング関連企画 現在のアート)、『切断と接合の美学』(展覧会 internet image browsing)、『世界制作のプロトタイプに寄せて』(展覧会 世界制作のプロトタイプ)、『感覚的なものの全て、見えないものの光』(HOUXO QUE個展16,777,216へ寄稿)、『Maltine Records における物語の生成条件〜失われた20年の子供たち』、『世界制作の前提条件』。他にも多数対談やトークイベントに出演している。