講師:たくみちゃん、武本拓也
定員:10名
日程:全7回[第1回1月13日(月・祝)、第2回1月26日(日)、第3回2月8日(土)、第4回2月23日(日)、第5回3月7日(土)、第6回3月15日(日)、第7回3月22日(日)]
受講料:15,000円(原則全⽇程参加とします。全⽇程の参加が難しい場合は事前にお問い合わせください。)
会場:美学校 本校(東京都千代⽥区神⽥神保町2-20第2富⼠ビル3F)、上野桜木旧平櫛田中邸(東京都台東区上野桜⽊2-20-3)、FL⽥SH(東京都渋⾕区神宮前3-38-11-302)
申込み:申込みは締め切りました。
問い合わせ:tsuewotsukuru@gmail.com
パフォーマンスや⾝体表現と呼ばれるものの⽅法ややり⽅は、これまであまり⾔語化されてこなかったように思います。
確かにそれには、決まった型があるわけではありません。⾃由にやる事は重要な事かもしれない。だけどある程度、⾔語化する事が可能なはずです。そして⾔語化したそれを⾝体を通してやってみる事で、もっと遠くまで⾏けるはずです。
⾃分の⾔葉で⾔語化した⽅法は、「杖」のようなものではないでしょうか。
「杖」は、こう歩かなくてはいけないというルールではありません。持ったり持たなかったりする事ができて、持つともっと遠くまで歩いていける。正しい使い⽅があるけど、様々な使い⽅もできる。持つ事で他の⼈に⼿渡す事もできる。転ばぬ先の杖であり、魔法の杖でもある。
この講座では、参加者それぞれの⾝体表現の為の⽅法論=杖をつくります。
参加者それぞれのもつ興味や感覚、こういうやり⽅があるんじゃないかというアイデアを、⾔語化して共有し、⾝体を通して実際にやってみる。それで感じた事をもう⼀度⾔葉にしてみる。そうして、それぞれ独⾃の杖をつくりあげていこうと思います。
⾃分⾃⾝の⾔葉と⾝体で作った杖は、それがどんなに些細なものでも、歩いていく為の確かな助けになります。
教えない・盗ませるという伝統のある美学校で、全員で考え/話し合い/盗み合いながら、各々の表現の為の杖をつくっていきましょう。
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講座は全7回で、最終回では各⾃発表をする事を⽬指します。
その内3回は、美学校ではなく、別のスペースや路上で⾏う事を予定しています。それぞれのスペースの⽅のお話を聞きながら、いま表現をするとはどういう事なのか。それぞれのスペースはどんな⽴場で運営されているのか。を考えながらそれぞれの場所での表現を探れたらと思います。
最終⽇に作品の発表をする為、ハードルは⾼いかもしれませんが、普段⾝体表現をされない⽅も、上で書いたような事を⼀緒に考えたいと思っていただけたら、是⾮参加していただけたらと思います。
もちろん、これからパフォーマンスや⾝体表現をやろうとしている⽅、現にその分野で活躍されている⽅も⼤歓迎です。
武本拓也 たくみちゃん
講師ステートメント
たくみちゃん
いきなりですが、いま必要なのは「繊細さ」だと思っています。
⼈間はおもに⾔葉でものを考えます。つまりある価値観を共有するためにも⾔葉を使います。
⼀つの態度や価値観を強⼤化させ⼤⼿を振って歩くための伝わりやすい⾔葉が跋扈しています。⾔葉からは⾊々な細かいニュアンスが削ぎ落されて、使いやすく、⼈々の⼼に引っ掛かりなく⼊り込みやすくなります。⾔葉の繊細なとげのようなものが溶けてなくなり、ツルツルした世界になってゆきます。ツルツルしすぎると、滑りやすくて危ないです。滑った先には崖があるかもしれません。
では繊細な⾔葉とは何か。それは⾝体があること、ではないか。⾃分は⾝体を持っている。同じく⾃分の⾝体を持っている、相⼿に向けて⾔葉を発する。
「杖をつくる」では、⾝体を使った⾔葉を、⾝体を使って考え合います。分かりづらい⾔葉をやりとりし合う、新種の⽣命体が必要です。
武本拓也
ある感覚が⾃分の中にある。
それはなんだかまだうまく⾔えないし、やってみたところでなんにもならないような気もする。とにかく、まずやってみる。やってみただけではまだよくわからないかもしれない。だけどやってみたらこうだったと⾔葉にしてみる事はできる。最初の感覚に近づくにはどうすればいいかを考えてみる。あるいはやってみて得られた⾔葉をもとに、更にやり⽅を変えてみる。
僕とたくみちゃんは、⾃分⾃⾝の⾝体だけでの表現、いわゆるソロパフォーマンスみたいなものをやっています。それぞれの表現や考えは全く違いますが、しかし共通しているのは、⾃分⾃⾝の表現の⽅法/ジャンルを独⾃に編み出して実践しているという事です。こうやろう。こうじゃない。こうかもね︖やってみたらこうだった。いやこうなるはずだ。こうなる為にはどうしたらいいんだ。これってなんなんだ。そうした試⾏錯誤を、⻑い時間かけて続けています。
この講座では、私達2⼈が持っている「⽅法を作る為の⽅法/考え⽅」とでもいうようなものを、それぞれの観点からお伝えしたいと思います。そしてそれを⼿がかりに、参加者それぞれの⽅法の作り⽅を考え、それぞれ独⾃の⽅法=杖を作っていけたらと思います。
⾃分の中になにかこういう感覚があるけど、それが何になるのかまだわからない。演劇やダンスといった⾝体表現とは少し違う事を考えていきたい。⾃分⾃⾝で既に持っている⽅法をより⾔語化し試してみたい。そうした⽅にとって、⾔葉と体を尽くす、きめ細やかな時間となれば幸いです。
よかったら、ご参加をお待ちしております。
日程・会場
第1回 1月13日(月・祝)13:00〜18:00 美学校
第2回 1月26日(日)11:00〜15:00 上野桜木旧平櫛田中邸
第3回 2月8日(土)13:00〜18:00 FL田SH
第4回 2月23日(日)13:00〜18:00 美学校
第5回 3月7日(土)13:00〜18:00 路上
第6回 3月15日(日)13:00〜18:00 美学校
第7回 3月22日(日)13:00〜18:00 美学校(最終発表)
講師プロフィール
たくみちゃん
分断のない世界をつくりたい。その過程で独⾃のインプロヴィゼーションを構築し、パフォーマンスを中⼼に発表している。領域横断的に活動し、ジャンルに収めきれない⾃分⾃⾝を⼀つのジャンルとするべく、2018年よりパフォーマンスコンペティション「たくみちゃん杯」を主催している。
SICF19 PLAY 中村茜賞(2018)
横浜ダンスコレクション コンペⅠ 審査員賞(2016・Aokid×橋本匠として)
http://takumihashimoto.info/
武本拓也
いるということへの関⼼を出発点に、⾃分1⼈での上演を⾏っています。
武蔵野美術⼤学映像学科卒業。美学校実作講座「演劇 似て⾮なるもの」第4期修了。ソロ公演に「正午に透きとおる」(2019.2)、「象を撫でる」(2018.5)など。https://www.takemototakuya.com/
主催:武本拓也 たくみちゃん
協力:美学校
岡⼭県井原市、上野桜⽊旧平櫛⽥中邸、NPO法⼈たいとう歴史都市研究会、⼀般社団法⼈⾕中のおかって
FL⽥SH