1969年の創立以来、オルタナティブな教育機関として独自の学校システムを築いてきた美学校では、美術だけに留まらず、マンガ、映画、舞踏、ファッション、フィギュア、音楽など、現在までに様々な教程を展開してきました。 第46期目となる2015年度は、新設3教程の他、「絵画」、「版画/写真」、「現代美術」、「メディア表現」、「作曲」、「DTM」、「研究室」の7学科全30教程を開講します。30教程の中から複数の受講も1教程のみの受講も可能です。期間は5月から翌年3月までの1年間で、複数年受講することも可能です。
メディア表現
定員 10 名
期間:2015年5月中旬~2016年3月
授業日:毎週土曜日/午後6時30分~午後9時30分
年間学費:330,000円+教程維持費15,000円
何かを想像し考え、自分の中に入り込み転がり込んで出てゆく瞬間の表現手段が服であったら、どのような作品が生まれるのかをテーマに本講座は進められます。
服なんてしょせん寒さをしのぐための道具にすぎないのに、なぜ私たちは服を選ばなければならないのか?よくよく考えると単純な思想にぶつかります。
今のこの時代にこの服装なら問題ないとか・美しく見せたいとか・自分の性格に合ってるなど、いろいろな考えで服を選びます。しかし実際には自分の意志で選んだつもりでも、モードの権力によって左右されていることが多いはずです。
本講座はモードを考えるところからスタートし服を作り上げるまでの授業です。経験の有無は問いません。
デザイン~素材~パターン(型紙)~縫製と服作りを中心とした実技と実際プロの現場ではどのような作業がおこなわれているのか、第一線で活躍している技術者、デザイナー等を招き講義をしていただきます。そのなかで自分自身が表現するための服とはなにか?を一年間通して考え、物作り進めていきます。
濱田謙一
5月 オリエンテーション 表現1
6月 服の構造 表現2
7月 服の構造 表現3
9月 パターン実習 縫製、トワル作成
10 月 パターン実習 縫製、トワル作成
11 月 デザイン1 素材イメージ
12 月 デザイン2 素材イメージ
1月 自由制作
2月 自由制作
3月 自由制作 縫製工場見学
4月 作品発表
濱田謙一
1967年東京都生まれ。1988年東京デザイナー学院卒業。PASHU、丸紅、COMME des GARÇONSを経て現在フリー。映画、舞台、CM、衣装デザイン制作多数。東京を中心に、パリ、横浜等にて個展、グループ展。2010年ロシアモード誌にファッション論を連載、美学校も紹介される。
自分だけの洋服が生まれる場所
―モード研究室
この記事を読んでいる人で、これまでにただの一度も「洋服を着たことがない」という人はおそらくいないだろうが、「洋服を作ったことがない」という人は案外多いかもしれない。日本におけるファストファッションの代表格・ユニクロは国内に852店舗、ファッションセンターしまむらは1312店舗、2008年東京に1号店をオープンさせたH&Mは46店舗をかまえる。いまや、安くてそれなりにおしゃれな服はどこでも買えるのであって、洋服を自作する方がかえってお金も時間もかかるくらいだ。(店舗数は執筆時のもの)・・・続きを読む
━━━モード研究室ではどんな授業をされているんでしょうか?
最初の頃は一年をどんなふうにやっていこうかなとかいうのを考えていたんだけど、生徒が勝手にやっていくようなスタイルの方がいいなということに最近気がついた。あまり方向性は決めていないんだよね。万が一迷ったりしたら、自分のカリキュラムに戻せばいいなと考えてはいるけど、とりあえずは生徒主導で自主的にやる感じだね。あまり余計なことを言わないし、干渉しないし、極端な話教えない。・・・続きを読む