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特別講座「現代アートの勝手口」  齋藤恵汰+藤城嘘+中島晴矢

特別講座「現代アートの勝手口」  齋藤恵汰+藤城嘘+中島晴矢




定員:10名
講義日程:全5回[第1回10月27日(日)、第2回11月10日(日)、第3回11月24日(日)、第4回12月8日(日)、第5回12月22日(日)]
時間:13:00〜17:00
受講料:18,000円
申し込み:定員に達したため申し込みは締め切りました。現在、キャンセル待ちのみ受け付けています。キャンセル待ちをご希望の方はページ下部のキャンセル待ち申込みフォームよりお申し込みください。


この講座では「現代アート」を取り扱います。芸術でも美術でも現代美術でもアートでもコンテンポラリーアートでもなく、あえて「現代アート」と冠するは、私たちがやってきている活動がそうとしか呼びようのない、文化・領域・ジャンル横断的で、和洋折衷のキメラ的な表現だからです。

現在のアートをはじめとする文化的なシーンの先端はすでに無数に拡散し、「これが前衛だ!」「これが最先端である!」と名指すのは困難になっています。同時に、社会や政治を巡る諸問題は、まるで「パワー・オブ・テン」のようにグローバルとローカルの間を極端に行き来しながら、日々鬱積し続けています。

だからこそ、私たちは「勝手に」表現を始めるしかありません。

「勝手」は多義的な言葉です。上記のように他人に構わずわがままにやる。「使い勝手がいい」と言う場合のぐあいのよしあし。「仕事の勝手」といえば物事の様子や事情を表すし、台所や生計といった意味もあります。この講座はこれらすべての「勝手」と関係を持つはずです。

講師の三人は、それぞれ別の「勝手」を持っています。その多様な「勝手」をこそ、共有したいのです。

むろん、「勝手口」とは台所の出入り口を指します。この講座を通し、三河屋のようにひとの勝手口から勝手に出入りして、その勝手を盗み合えるひとたちと出会えれば幸いです。

 

 

●齋藤ステートメント

「革命でも反抗でもない挑発」

私たちには何も責任などないかもしれない。そういう一連の態度表明の歴史こそ美術であると一度、開き直ってみよう。ここから見えるものは無数にある。それらは我々が世界においてどのような存在であるかを改めて確認させる。私たちは生まれてこなければよかった、と考える必要はない。むしろ生まれてこなければよかったことを乗り越えて、単なる挑発的な一個人であること、その態度がアーティストという存在の意義を確認させる。新しく何かを始めることは、不可能だ。しかしアーティストは常に新しさの問題と戦っている。その戦いの中で、無責任に「これは新しいのだ」と言ってみせることだけが、ある態度を形成する。すなわち革命でも反抗でもない挑発として。この美学校の授業において、私は責任の取り方を教えるつもりは全くない。むしろ私には何の責任もないのだという、一見すると危険な考えのみを、伝えるつもりである。そんなことは言われなくてもわかっている、という人にはいささか退屈かもしれない。しかし、あなたがむしろ、世界に対して何か責任を果たしたいと思うような、純粋な好奇心を持ち合わせているならば、その好奇心を、どうすればもてあますことなく自分の活動へと向けることができるか、それを考えることができるかもしれない。

 

●齋藤ワークショップ

・21世紀の芸術について

21世紀に入ってからすでに20年の時が過ぎようとしている。たった20年ともいえるし、20年もということもできるだろう。近年、日本で展示を行った著名なアーティスト、たとえばティノ・セーガル、ライアンガンダー、バンクシーといったアーティストたちは、おおよそ21世紀に入ってから活動をスタートした。彼らがあのような極端な方向性すなわち「なにも作らず、何も記録を残さない(ティノ・セーガル)」「レクチャー・パフォーマンスとインスタレーション(ライアンガンダー)」「ストリートカルチャーへの挑発とインサイダー取り引き(バンクシー)」を選択したことには、歴史的必然があるのではないか。その考えを深める作業こそが、このワークインプログレスの中心的な問題である。彼らはアートワールドを挑発すると同時に、それを強化する方向で、活動を総括(反省)できるのではないか。そのような視点に立ったとき、近年のあいちトリエンナーレにおける大衆と芸術の問題などについて、より重要な議論を提起することができる。そして私は、その提起に意味があるか、その提起によってどのような責任が果たされるのかを、議論したい訳ではない。あくまで2000年から2020年にいたる、近年の美術の流れを考え、次の制作のための足がかりとするために、この制作中の状態を共有しようというのである。

 

 

●藤城ステートメント

私は「現代アート」を”今を生きている人間が、今の思想を美術という形で表現する”分野だとシンプルにとらえ、この領域を足場に絵画を作り続けてきたが、いまだ芸能や音楽やイラストレーション、”サブカルチャー”の分野に比べると、「現代アート」は新陳代謝がずっと遅く、若いプレイヤーも少ないと言わざるをえない。既存のマーケットや価値観にこだわり続けると、特に高齢社会(少子社会)の日本においては、「現代アート」はますますやせ細っていくだろう。
2020年代に求められるのは、あらゆるジャンルを、最先端と過去を問わず、「好き勝手」に行き交う軽やかさではないだろうか。この講座は3人の講師自体が同じ方向を向いているようで実際は様々な方向を見つめているところがある。まずは現代アートをアクティブにするために、共に今感じる「リアリティ」について出自の異なる者同士で率直に意見を交わし、来る2020年代の様々な分野へ目配せのできる場を、この美学校に作れればと思う。

 

●藤城ワークショップ

・「ネットワーク」を可視化する

現代アートにおいてオリジナルな表現を目指すとき、そのテーマ設定や技法やモチーフの選択は一筋縄にはいかない。
ある表現における必然性は、表現者が過ごしてきた環境そのものから、気まぐれによるちょっとした好き嫌いまでが、実際は複雑に積み重なり、絡み合った結果生まれている。
そのため自分にとってかけがえのない部分を核にしながら、自分自身のキーワードをマッピングしていくことが、時に必要になる。
私は今までインターネットを介して直感的に気になる情報やイメージを大量にキャッチし、とにかく取捨選択しながら、なぜその情報が引っかかったのかを自問自答しながら制作へと反映させてきた。
自分自身に”検索”をかけ、そこから再び外部へと”検索”を広げ、他者に接続する作業が、作品のメッセージ性を高めていくことに繋がるだろう。
受講生には、自身を構成する様々なキーワードを書き出し、図式化してもらい、その図式から共通項や関連性を見出してもらう。
記号が列挙された絵とも図ともつかない地図ができたら、それが表現の道標になるだろう。

 

 

●中島ステートメント

私は「現代アート」なるものをやっている。

それは狭義の美術にとどまらない。どころか、美術なんてどうでもいいと思うことすらある。ジャンル、手段、方法、様式──つまりメディウムに、こだわりはない。
じじつ私は、美術作品をつくり展覧会で発表することのみならず、ラップをやったり演劇に出たり、オルタナティブスペースを立ち上げつつあったりと、様々なプロジェクトに関わって、書きもので口を糊してもいる。その総体が表現である。
要するに重要なのはいつだって、根っこにある自分自身なのだ。
「勝手口」から上がり込み、自分なりの「勝手」で、やりたいことを「身勝手に」やる。この講座はそのための「お勝手」である。
むろん自己の表現を世に問うのに、知識や技術、仲間は必要だろう。それはこの美学校というオルタナティブな教育の場で、共に議論し、ものを作っていく中で養ってもらえたらいいと思う。

 

●中島ワークショップ

・「根拠地」を示す

ヒップホップでは自身の「根拠地」を示す。
それは人種だったり、生まれ育った街だったり、地元のコミュニティだったり、自己のアイデンティティだったりする。
自分のルーツを自覚し、それを掘り下げ、表現する。それはヒップホップのみならず、あらゆるアートの出発点ではないか。
私もまた、自分の生まれ育った「ニュータウン」をルーツとして表現を展開してきた。
受講生にも、そういった自分の「根拠地」を何らかの形で表現してもらいたい。
もちろんどんなメディアでもいい。口頭での発表でもいいし、絵でもいいし、写真でも映像でもいい。
自身の「根拠地」を見つめ直すことから、表現を始めよう。

 

講義日程


・10/27(日)美学校 本校 イントロダクション ディスカッション+オリエンテーション
・11/10(日)美学校 本校 講師プレゼンテーション1 + ワークショップ1
・11/24(日)美学校 スタジオ 講師プレゼンテーション2 + ワークショップ2
・12/8(日)美学校 本校 講師プレゼンテーション3 + ワークショップ3
・12/22(日)美学校 本校 総括

 

講師プロフィール


齋藤恵汰(さいとう・けいた)

1987年東京生まれ。2008年、カルチュラルネットワークのためのコンセプチュアルアート作品、渋家を創設。2013年、NHK Eテレ「ニッポンのジレンマ」に東京の公共性を問う論客として登壇。2015年、これから東京に起こる様々なメディア環境をテーマとした戯曲、非劇を共同制作し、吉祥寺シアターにて上演(演出:篠田千明)、その後2015年~2019年にかけて三つの展覧会「私戦と風景(原爆の図 丸木美術館)」「自営と共在(BARRAK 大道)」「構造と表面(駒込倉庫)」および批評雑誌「アーギュメンツ#1~#3」の発行に携わる。現在は渋都市株式会社に所属し、映画のための企画、脚本、演出について勉強中。

 

藤城嘘(ふじしろ・うそ)

1990年東京都生まれ。2015年日本大学芸術学部美術学科絵画コース卒業。都市文化、自然科学、萌えキャラから文字・記号にいたるまでの「キャラクター」をモチーフに、インターネット以後の日本的/データベース的感性を生かした絵画作品を制作。2008年より、SNSを通してweb上で作品を発表する作家を集めた「ポストポッパーズ」「カオス*ラウンジ」など、多数の集団展示企画活動を展開。音楽鑑賞、また音ゲーを趣味とする(pop’n music LV47安定程度の実力)。主な個展に2018年「『絵と、』 Vol.2藤城嘘」(galleryαM)、2017年「ダストポップ」(ゲンロン カオス*ラウンジ 五反田アトリエ)、2013年「芸術係数プレゼンツ藤城嘘個展『キャラクトロニカ』」(EARTH+GALLERY)、2010年「モストポダン」(ビリケンギャラリー)、「a white lie」(Hidari Zingaro)など。「カオス*ラウンジ」として参加した主な展示に、2018年「破滅*アフター」(A/D GALLERY)、2015~2017年「カオス*ラウンジ新芸術祭」(福島県いわき市)、「Reborn Art Festival2017」(宮城県石巻市)、2016年「瀬戸内国際芸術祭2016」(香川県高松市女木島)、「風景地獄-とある私的な博物館構想」(A/D GALLERY)、2014年「キャラクラッシュ!」(東京都文京区湯島)など。

 

中島晴矢(なかじま・はるや)

美術家・ラッパー・ライター。1989年、神奈川県生まれ。法政大学文学部日本文学科卒業・美学校修了。美術、音楽からパフォーマンス、 批評まで、インディペンデントとして多様な場やヒトと関わりながら領域横断的な活動を展開。重層的なコンテクストをベースに、 映像や写真を中心としたミクストメディアで作品を発表している。主な個展に「バーリ・トゥード in ニュータウン」(TAV GALLERY/東京 2019)「麻布逍遥」(SNOW Contemporary/東京 2017)、キュレーションに「SURVIBIA!!」(NEWTOWN2018/東京 2018)、グループ展に「TOKYO2021」(TODA BUILDING/東京 2019)、アルバムに「From Insect Cage」(Stag Beat/2016)、連載に「東京オルタナティブ百景」(M.E.A.R.L)など。
http://haruyanakajima.com/

 

 

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〈現代美術〉
Matsukage Hiroyuki

▷授業日:毎週土曜日 13:00〜17:00
松蔭のアート論を軸に「料理のように、日々の生活に必要なアート」の読み解き方、表現方法を紹介し学びます。正しいオブジェの作り方〜マン・レイ考=アヴァンギャルドの時代、モダニズム/ダンディズムに学ぶ。などなど。

Saitoh Minako

▷授業日:毎週火曜日 13:00〜17:00
作品制作を中心に、現代美術に関する講義を交えて進む講座です。制作を通して、美術作家としてのものの捉え方や考え方も学んでいきます。まず、ゆるやかな方向性をもったカリキュラムを用意します。とにかく、何か作ってみる。そこからスタートです。

Kurashige Jin

▷授業日:毎週月曜日 19:00〜22:00
「芸術漂流教室」は、倉重迅、田中偉一郎、岡田裕子を中心に、ゲスト講師も招きながら展開していきます。現代美術の領域で活動しながら他ジャンルにも軸足を持つ、無駄に経験値の高い講師陣とともに「楽しく」「真面目に」漂流しましょう。

Endo Ichiro

▷授業日:毎月第三週の土曜日と日曜日
未来美術家・遠藤一郎による新講座。本当にお前がやりたいことは何なのか。お前の夢を好きなまんまにやれ、わがままに。夢バカ最強宣言。非実力派宣言。最初の一歩。世の中にはへんなやつが必要だ!!

Matsuda

▷授業日:毎週土曜日 19:30〜22:30
現代を様々な角度から考証し、ハミダシ者として表現を創造していくことを目的に授業を進めていきます。キーワードとして、「サーチ&デストロイ」を強く意識していき、学校教育では教えられないことを存分に取り入れながら、強い表現とはなにか?を考え実践していきます。