「天才ハイスクール!!!!」による展覧会のお知らせ


天才ハイスクール!!!!展覧会
「Genbutsu Over Dose」


天才ハイスクール!!!!


この度、4月17日から21日までの5日間、東京の高円寺にて天才ハイスクール!!!!展覧会「Genbutsu Over Dose」を開催いたします。

アーティスト集団「Chim↑Pom」のリーダーである卯城竜太氏が講師を務める美学校の現代美術セミナー『天才ハイスクール!!!!』は2010年にスタートしました。現在、1期生から現役5期生まで総勢約20組からなり、これまでに多数の展覧会やイベントに参加しそれぞれが活躍の場を広げています。そして、5年目となる今期をもちまして本講座を閉講するにあたり、これまでの活動を締めくくる展覧会をメンバーの個展などを幾度も開催してきた高円寺で開催する運びとなりました。

天才ハイスクール!!!!のラストステージとなります展覧会「Genbutsu Over Dose」をこの機会にどうぞご覧ください。


会 期:2015年4月17日(金)~4月21日(火) 4月23日(水)※会期延長となりました。
会 場: 高円寺「キタコレビル」、素人の乱12号店「ナオナカムラ」、その他周辺スペース
 「キタコレビル」 東京都杉並区高円寺北3-4-13
 「ナオナカムラ」東京都杉並区高円寺北3-8-12(素人の乱12号店)
時 間:14:00~22:00、22日,23日は15:00~22:00(会期中無休)
入場料:無料 ※イベントは有料

作 家:堅田 好太郎、キュンチョメ、志水 佑、西村 健太、宮嵜 浩 (BOMBRAI WEST)、涌井 智仁、石井 陽平、ケムシのごとし、REDICAcrew、毒山 凡太朗、新井 信、タタラ・タラ、安原 杏子 a.k.a 青椒肉絲、やまだ しげき (チームワレラ)、SORA

お問い合せ:nakamuranao19900715@gmail.com(展覧会担当:中村奈央)
ウェブサイト:http://naonakamura.blogspot.jp/


 天才ハイスクール!!!! ゲストトークショー!!!!

日 時:4月17日(金)~19日(日)19:30~(開場19:00~)
会 場:高円寺「Pundit’」東京都杉並区高円寺北3-8-12
料 金:1日間単品チケット 800(700)円/3日間通しチケット 2,100(1,800円
 ※( )内は前売り料金。何れもワンドリンク付き
ご予約:http://pundit.jp/

ゲスト一覧(敬称略・五十音順)

「アート非アートのフロンティア」4月17日(金)19:30〜

櫛野 展正(鞆の津ミュージアム キュレーター)
上妻 世海(キュレーター/作家)
武田 俊(TOmagazine 編集部)

「ヤンチャのヤり方 通し方」4月18日(土)19:30~

エリイ(アーティスト/Chim↑Pom)
成相 肇(東京ステーションギャラリー学芸員)
毛利 嘉孝(社会学者)
山本 裕子(ギャラリスト/山本現代代表)
和多利 浩一(ワタリウム美術館代表/キュレイター)

「実践!!!! アートの戦場」4月19日(日)19:30〜

岩渕 貞哉(『美術手帖』編集長)
梅沢 和木(美術家)
風間 サチコ(アーティスト)
窪田 研二(キュレーター/KENJI KUBOTA ART OFFICE)
藤城 里香(無人島プロダクション代表)


この度、高円寺にありますキタコレビル、ナオナカムラ(素人の乱12号店)他にて、 天才ハイスクール!!!!解散制作展「Genbutsu Over Dose」を行います。
天才ハイスクール!!!!は美学校の同名の講座の現役生・OBによって構成される集団です。これまで5年間精力的に活動してきましたが、解散し、本展から新しいスタートを切ります。
解散制作展のテーマは「ある現実を超える」です。アートは様々な状況に独特な形式で介入していきます。現実に有り得る、または有る問題を表面化させるものであったり、正面からアゲインストするものであったり形は様々です。それは常に現実の危うさや不透明さに言及したアートからのalterな世界の提示であり、どこかにある世界を要請しバイパスする作業です。
今回天才ハイスクール!!!!は、僕達がそれぞれ固有に生きる世界から、今ある現実を沸騰させ物理的にヤバくするための仕掛けを作ってみました。

かつてヨーゼフ・ボイスが「社会彫刻」と名付け、人間が創造的に営むことから社会をアップデートできる可能性を説いたように、今日柔らかい土地に屹立する現実を一旦押しやり、可能的な現実を立ち上げてみようと思います。

アートではないのかもしれないし、必ずしも今ある具体的な問題にアプローチする訳ではないかもしれません。

本展に参加する16人の16個のソフトが、またそれが一度に雑多な形でインストールされた1つのハードが、どういう形で現実を更新、繋留、スライドさせるか、ステイトメント執筆段階の今はまだとても想像ができません。

1人であり2人であり同時に複数である天才ハイスクール!!!!という未グループな集団の設営作業が、また新しい場所に立脚し、alternativeな場所を構築するだろうと今は期待しています。
本展で“解散”と言いつつ、天才ハイスクール!!!!はグループではありません。ここで言う解散には便宜的な意味しかありません。ただ“解散”という言葉を使って僕達は別れる事にしたのです。僕達の関係というのは、たかがクラスメイトであり、目的を共有し統一的な表現的指向性を持つような集団ではありません。

僕達はグループとは違う結びつきで世界やお互いに介在していきました。それはかなり倒錯的な“愛”であったと確信しています。
天才ハイスクール!!!!の展覧会はそれぞれの作家がそれぞれの表現や問題意識を展示空間に寄せ集めるものでした。しかし、それは物理的かつ人間としてクソ的な理由で通常の形では叶いません。他の作品を侵食する形で展開してしまった作品、何となく置いてしまったモノ、片付け忘れたモノがその間に必然のように横たわるのです。

それは展覧会やキュレーションが暗黙に了解している、配置された作品の行間を読むという作業を妨害するものでした。

僕達は展覧会が完成の体を成すと、夢を見ているような気分になりました。想像することのできなかった、見るはずも無かったビジュアル、新しい世界が登場するからです。この時天才ハイスクール!!!!は初めて統合の形をとり、お互いの差異を通じて世界やアートに触れていた気がします。
天才ハイスクール!!!!の活動は定期的なサイファーでした。サイファーは“暗号”であり“サークル”であり、“こっち”の言葉で“あっち”へ語りかける事です。この周縁的なサイファーの始まりはキタコレビルでした。そして終わりもキタコレビルです。この5年間自主組織的に展覧会を重ね、またキタコレビルで展示できる事は凄く重要だと感じます。
「愛とは、単に出会いや二人の個人のあいだの閉じられた関係なのではなく、一つの構築なのです。

それは、一者の視点からではなく、二者の観点から織り成される生なのです。」哲学者アラン・バディウが「愛の世紀」で語った愛の、そして世界の構築についてのこの言葉をエピグラフにし、今展覧会をスタートし、同時に有終の美を飾ります。

涌井智仁(天才ハイスクール!!!!)