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【レポート】松田修展「何も深刻じゃない」

【レポート】松田修展「何も深刻じゃない」


文=木村奈緒 写真=木村奈緒・皆藤将


今年5月に新規開講した現代美術講座「外道ノスゝメ」の講師のひとり、松田修さんが高円寺のアーティストランスペース Garterで個展「何も深刻じゃない」を開催中です(〜10/25終了)。本展では、「外道ノスゝメ」との初コラボレーション作品もお目見え。展示の模様を少しだけお伝えします。

 

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会場のGarter。


本展のタイトル「何も深刻じゃない」は、他人から見たら壮絶な人生、それこそ深刻に考えたら死にたくなるような人生を送ってきた松田さんが身につけた、いわば「生きる術」。「世界で起こる大問題もフィクションぐらいに思えばよい/問題に対しては愚鈍さで臨めばよい/現実を直視しすぎて狂うくらいなら現実を離れて笑うほうがよい/何も深刻じゃない」。そうステートメントに書いた通りの展示になった、と松田さん。

 

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「何も深刻じゃない」感じの松田さん

 

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個展のメインビジュアルにもなっている映像作品『24fps,365″』

 

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「外道ノスゝメ」講師の古藤寛也さん、写真家 井手康郎さんとのコラボレーション作品
『hall of shame / BIG the Gedo』(部分)

 

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旧作から新作まで6点が並ぶフロア。1977年に打ち上げられたボイジャー探査機に搭載されたゴールデンディスク/ネット上などに渦巻く怨念、呪詛/発ガン性が疑われる食品添加物/9.11(アメリカ同時多発テロ事件)/死刑囚などがモチーフになっています。

9.11テロによる死者数と同数のマリオを殺す映像作品『9.11ぶん死ぬマリオ』は、松田さん曰く「松田修の処女作だと思っている」作品だそう。「9.11って遠い素材だなと思って。何人死んだとかも泣けないし、こういう遠い地のことはギャグにしちゃおうと。当事者にとっては優しくない視点かもしれないけど、一方で乗り越えるにはいい気がして。《何も深刻じゃない》にもリンクするよね」(松田)。

 

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こちらは別フロアの展示。先ほどのフロアとは打って変わって整然とした雰囲気で写真作品が並んでいます。展示された作品は、松田さんがヘルパーのバイトで知り合った頚椎損傷者で鉄道オタクの麩澤孝さんとのコラボレーション。首から下が動かない麩澤さんに変わって、松田さんがシャッターを押した「普通の鉄道写真」です。

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撮影の際は「パンタグラフを入れる」などの細かいこだわりがある麩澤さん。最初は麩澤さんのイメージする写真が撮れず、怒られたこともあったそう。2012年に無人島プロダクションで個展「ニコイチ!」を開催した松田さん。本コラボレーションも「電車に興味があるけど写真が撮れない麩澤さん」と「電車に興味がないけど写真が撮れる自分」の「ニコイチ」だ、とのこと。展示の高さや会場で流れる音にも意味がありますので、是非会場でご確認を。

 

「外道ノスゝメ」とのコラボレーション


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外道ノスゝメ」メンバー6名とのコラボレーション作品は、『幸せになる方法の方法』と『11分6秒の汚音』の2作品。

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『幸せになる方法の方法』は、松田さんの学生時代の体験が元になった作品。いろいろな宗教関係者へのインタビューや、宗教関連の品々で構成されています。学生時代、1日に何件も来る宗教の勧誘を断るのが面倒になり、「全部入っちゃえばいいじゃん」と思って勧誘されたすべての宗教に入った松田さん。

「そもそも取られるようなものもないし、騙されるって言っても俺は一体何を騙されるんだろうと思って全部入ったの。会報はくれるし、逆にもらうばっかりだよ(笑)」(松田)。この経験をずっと作品にしたかったそうで、今回「外道ノスゝメ」メンバーの協力を経て実現しました。現在も制作進行中の作品とのことで、今後ますます宗教が増えるかも?

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こちらは『11分6秒の汚音』。外道ノスゝメ メンバーが出す汚い音「汚音」をサンプリングして制作したミュージックビデオ。外道ノスゝメでは、今後も一緒に実作していきたい、また何かやりたいとのこと。次なる外道な企みが楽しみです。

 

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「外道ノスゝメ」のメンバー

 

松田修展「何も深刻じゃない」は10/25(日)まで!


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ということで、まだまだ展示は紹介しきれませんが、続きは会場でご覧ください。この機会を逃すと、もうお目にかかれない作品もあるかもしれません。

 

以下、展覧会詳細です。

 

松田修展「何も深刻じゃない」

キュレーター:Chim↑Pom
コラボレーション:古藤寛也、井手康郎、外道のスゝメ、麩澤孝
会期:10/3(土)-10/25(日) ※火曜休み 15:00-20:00
入場料:投げ銭制
詳細:http://chimpom.jp/artistrunspace/

 

「辛い状況のときこそ笑った方がいいみたいなのは、世界共通言語なんじゃないか」と話す松田さんの展示「何も深刻じゃない」。お見逃しなく!

 

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18日に開催されたイベント『ロ〜ング・リビングメッセージ』の様子。
松田さん、生きてます。

 

Matsuda

▷授業日:毎週土曜日 19:30〜22:30
現代を様々な角度から考証し、ハミダシ者として表現を創造していくことを目的に授業を進めていきます。キーワードとして、「サーチ&デストロイ」を強く意識していき、学校教育では教えられないことを存分に取り入れながら、強い表現とはなにか?を考え実践していきます。