【レポート】「会田誠の月イチぼったくりBAR」第10夜 ゲスト:オルタナティブ人形劇団「劇団★死期」


文=木村奈緒 写真=皆藤将


会田誠さんを聞き役に、若手アーティスト等の活動や作品について話をうかがう連続企画「会田誠の月イチぼったくりBAR」。オルタナティブ人形劇団「劇団★死期」をゲストに迎えた第10回が、去る1月10日に開催されました。

当日は、劇団初となる映画『NEW ENERGY CINEMA PARADISE』を上映。B級映画ならぬG級映画という謳い文句の予告編や、劇団主宰の岡田裕子さんと、劇団員兼岡本太郎美術館の職員という異色(?)の肩書を持つ北川裕介さん、劇団顧問でもある会田さんのトークが聞けるとあって、多くのお客様にご来場いただきました。

ごく簡単にではありますが、当日の様子をレポートいたします!

神出鬼没の謎団体「劇団★死期」


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そもそもは、2010年に横浜にあるBankARTのスタジオプログラムに岡田さんが参加したことがきっかけで生まれた「劇団★死期」(立ち上げの経緯は、劇団HPに記されています)。仙台市の画材屋さんでの展示や、山口晃さんの個展のイベントでの旗揚げ公演「『ヌンバ!』ウンタギルポッポハッポネーダ~世界に平和を~ 」を皮切りに、寿町、リトアニア現代美術館、森美術館などでの展示・公演、人形劇を小説化した『ゲンダイチコースケの事件簿「銀髪の賢者と油之狐奴(アブラノビッチ)」』の刊行など、神出鬼没な活動を展開してきました。そんな「劇団★死期」が新たに挑んだのが、このほど完成したB級(G級?)映画『NEW ENERGY CINEMA PARADISE』。

六本木の街を舞台にしたアートの祭典「六本木アートナイト2016」の公開作品募集プロジェクトへの応募作という形で話が進んでいた本作ですが、残念ながら最終選考で落選。アートナイトでの制作・上映は叶わなかったものの、その後、国内外の多様なアート作品を紹介する「Interdisciplinary Art Festival Tokyo」への参加が決まったことを機に「この機会を逃すと映画を作れないかもと思い」(岡田)、制作が開始されました。

「締切が近く、劇団員も忙しいのでイチから撮るのは難しい。どうせなら制作の過程も『劇団★死期』らしく面白いものにしたい」(岡田)ということで、岡田さんや劇団員のパソコンに眠る「二度と人に見せることのないクズ映像」を集め、集まった映像からストーリーを作っていったそうです。上映中は何度も笑いが起きました。今後も上映の機会があるといいのですが。随時、上映スペースを募集しているそうなので、我こそは、という方は劇団までご連絡を。

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「B級映画」から考える〜会田誠のお手製つまみ


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映画上映後は、つまみを作り終えた会田さんも加わってトーク開始。「特に新潟県人の傾向だと思うけど、僕は身内に対して厳しいんですよね。映像のことになると、(岡田さんと)ぶつかるところがありまして。でも今日はネガティブなこと言わないぞ」(会田)と、終始穏やかな進行を心がけたトークに。「B級映画」を切り口に、1950〜60年代と現代における「マイナーとメジャー」の違い、劇団の方向性についてなど、話が深まりました。

▼自分の世代にとってのB級映画を語る北川さん(写真左)と岡田さん。なお、北川さんが勤務する岡本太郎美術館では、「第20回 岡本太郎現代芸術賞(TARO賞)」展にあわせ、「劇団★死期」のイベントが企画されているそうです。こちらの情報もぜひチェックしてみてください。

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▼美学校の本棚にある「棚ガレリ」では、この日のために「劇団★死期」の特別展示を開催

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▼この日の会田さんお手製つまみは、映画上映に合わせてポップコーン、ピクルス、ローストポークでした。想像以上の大盛況で、つまみが十分に行き渡らず申し訳ありませんでした……!

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ということで、盛況のうちに第10夜は閉幕。
岡田さん、北川さん、「劇団★死期」のみなさん、ありがとうございました!

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次回は2/14(火)開催!


昨年10月に再開した2ndシーズンも、残すところあと2回。次回は2/14(火)開催です。気になる次回のゲストは?詳細はこちらからご覧いただけます。ご来場お待ちしております!