【レポート】「会田誠の月イチぼったくりBAR」第6夜 ゲスト:Jang-Chi、メグ忍者(オル太)


文=木村奈緒 写真=皆藤将


「会田誠特製謎のつまみ」を食べながら、ブレイク間近の若手芸術家のトークを聞く「会田誠の月イチぼったくりBAR」。6ヶ月連続で開催してきた本イベントも、今回が最終回。最後を飾ったゲストは、アーティスト・コレクティブ「オル太」のリーダー・Jang-Chiさんとメグ忍者さんでした。

既に国内外で活躍するオル太。海外で発表された作品は目にする機会が少ないですが、この日のために用意してくれたという映像を通して、オル太のこれまでの活動を振り返る貴重な時間になりました。簡単にではありますが、当日の模様をお伝えします!

期待の若手アーティスト・コレクティブ、オル太


olta_01

2009年に結成されたオル太は、井上徹、川村和秀、斉藤隆文、長谷川義朗、メグ忍者、Jang-Chiの6名からなるアーティスト・コレクティブ。第14回岡本太郎現代芸術賞展で岡本太郎賞を受賞し、会田さんが審査員のひとりを務めたトーキョーワンダーサイトの第4回展覧会企画公募で企画が選出されるなど、早くから活躍が期待されている若手アーティストのひとり(ひとつ)です。

2013年以降は海外での活動が増え、この日も翌朝から台湾へ向かうとのこと。タイトなスケジュールの合間を縫って出演いただきました。

初期作品から国内外での近作までを紹介


olta_02

前述のトーキョーワンダーサイトでの作品「オル太の田」など、初期の作品を紹介した後、ベルリンに3ヶ月滞在して制作した「GHOST OF MODERN」など、2013年以降の作品をJang-Chiさんとメグ忍者さんの解説つきで見ていきました。

「GHOST OF MODERN」は、自作の衣装で亡霊に扮したメンバーが、べルリン、ポーランド、ウクライナを旅して廃墟や負の遺産をめぐるプロジェクト。「1970〜80年代に今の世界の構造が決まった印象があるが、80年代生まれの僕たちは当時の事象を知らない。世界の構造のひずみが出てきている今、もう一度そうした事象があった場所をめぐってみたいという動機で制作した」とJang-Chiさん。

olta_03

左からJang-Chiさん、メグ忍者さん

olta_04

ウクライナの政治運動のプロパガンダ(?)に利用されかけるメンバー

olta_05

石棺を建設中(当時)のチェルノブイリ原発も訪れた

これからの「オル太」


olta_06

その後も、韓国やスウェーデン、京都での近作を紹介してくれたJang-Chiさんとメグ忍者さん。今後さらなる活躍が期待されるオル太ですが、Jang-Chiさん曰く「今後はメンバー各個人が持つアーティストとしての可能性を考えたうえで、その先にある『オル太』を形作っていきたい」とのこと。集団と個人、どちらに目を向けても表現が際立つとなれば、ますますオル太に期待せずにはおれません。

olta_07

最後はオル太メンバー全員と会田さんで記念撮影

0lta_08

最後のつまみは初めての洋食、チリコンカンでした

olta_09

マイルドな辛さが大好評でした

 

これにて第一シーズン終了!待望のセカンド・シーズンは…?


ということで、2015年10月から半年間にわたって開催してきた本イベントは、これにて終了となります。有り難いことに継続を望む声も多く聞かれますが、しばらくはお休みをいただいて、今年の秋以降に復活予定です。詳細が決まり次第、美学校のサイトやSNSで告知しますので、今後もときどきチェックしていただければ幸いです。何はともあれ、これまでご来場いただいたみなさん、ご出演いただいたアーティストのみなさん、そして毎回お手製のつまみを作ってくれた会田さん、ありがとうございました!